2026.01.07 犬が下痢をしたときの原因と対処法|受診の目安と“統合医療”の選択肢
「またちょっとお腹こわしちゃったかな」「元気もあるし、様子見で大丈夫かな」
愛犬の“下痢”をそう軽く考えてしまったことはありませんか?
実際、下痢は犬によく見られる症状のひとつです。ただ、その背景には「ちょっと食べすぎただけ」のような軽いものから、「感染症」や「腸の病気」など命に関わるような深刻な原因が隠れていることもあります。
だからこそ、「よくあること」として見過ごさずに、注意したい下痢のサインや受診の目安を知っておくことがとても大切です。
そこで今回は、犬の下痢の主な原因や治療法に加えて、当院で行っている西洋医学+東洋医学+自然療法を組み合わせた“統合医療”についてもご紹介します。

■目次
1.犬の下痢の主な原因
2.受診が必要な危険な下痢のサイン
3.犬の下痢に対する従来の治療法(西洋医学)
4.犬の下痢と“統合医療”の活用法
5.犬の下痢を予防するためにできること
6.まとめ
犬の下痢の主な原因
犬の下痢には、次のようにさまざまな原因が考えられます。
・消化器系トラブル:食べ過ぎ、異物や人間の食べ物の誤食、急なフードの切り替え
・感染症:ウイルス、細菌、寄生虫
・体質・アレルギー:特定の食材に対するアレルギー反応
・ストレスや環境の変化:引っ越し、旅行、家族構成の変化
・内臓疾患:膵炎、肝疾患、腫瘍、内分泌疾患
受診が必要な危険な下痢のサイン
下痢をしたからといって、すべてが緊急というわけではありません。
ただ、次のような様子が見られる場合は、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。
<すぐに受診してほしいサイン>
・嘔吐や血便を伴っている
・水のような下痢が1日以上続いている
・元気や食欲が落ちている
・子犬や高齢犬
・脱水症状が疑われる(皮膚をつまんでも戻らない、ぐったりしている)
犬の下痢に対する従来の治療法(西洋医学)
動物病院では、まず問診や視診で生活環境・食事・経過を詳しくお聞きし、必要に応じて便検査や血液検査、レントゲン検査、エコー検査などを行って原因を探ります。
そのうえで、次のような治療を組み合わせて対応します。
・下痢止め・整腸剤
・抗生物質(細菌感染が疑われる場合)
・吐き気止め
・点滴(脱水がある場合)
状態によっては入院でしっかりとした管理が必要になることもあります。
犬の下痢と“統合医療”の活用法
当院では、まずは西洋医学で原因をしっかり調べて治療することを基本としながら、必要に応じて東洋医学や自然療法も組み合わせる「統合医療」を行っています。
イメージとしては、西洋医学で下痢・痛み・脱水といった症状をきちんと抑えつつ、東洋医学や自然療法で「お腹をこわしやすい体質」「冷え」「ストレス」「季節の変わり目の影響」といった、不調の土台部分を整えていく形です。
今出ている症状と、体質そのもの。どちらにも目を向けることで、再発しにくい状態を目指していきます。
検査では大きな異常が出にくい「なんとなくの不調」や「薬や手術ほどではないけれど気になる状態」にもアプローチできるため、西洋医学だけでは手が届きにくい領域のサポート役としても活用されています。
〈統合医療が力を発揮しやすいケース〉
統合医療は、とくに次のようなタイプの子に向いています。
・季節の変わり目や冷えで、毎年お腹をこわしやすい子
・一度膵炎になってから、調子を崩しやすくなった子
・検査では大きな異常がないのに、「なんとなくお腹が弱い」状態が続く子
こうした「くり返す下痢」や「体質としてのお腹の弱さ」については、西洋医学だけでは十分に対応しきれない場合もあります。そのようなケースでは、東洋医学や自然療法が得意とする分野であり、補完的なアプローチとして活用されています。
〈統合医療で実際に行っているケア〉
状態や体質に合わせて、次のような方法を組み合わせていきます。
🔸 鍼灸
消化機能や自律神経のバランスを整えていく方法です。
ストレスがきっかけになっている下痢や、「なんとなくお腹が弱い」「冷えやすい」といった子の体質改善をサポートします。
🔸 漢方薬
その子の体質や症状に合わせて漢方薬を選び、胃腸の働きを助けたり、体をあたためたり、逆にほてりを冷ましたりします。
急性の下痢というよりは、慢性的にお腹をこわしやすい子や、シニア期の体調管理として用いることが多いです。
🔸 食養生(食事の工夫)
東洋医学の考え方を取り入れながら、「体を冷やしにくい食材」「消化にやさしい食材」を普段のごはんに取り入れていきます。
例えば、冷たいもののとりすぎや夏場のクーラーで体が冷えて起こる下痢には、体を温めるとされる食材(かぼちゃ・さつまいもなど)を取り入れます。逆に、熱がこもってお腹を壊すタイプでは、消化にやさしい食事(白身魚・おかゆなど)が役立つこともあります。
🔸 腸内ケアサプリメント
いったん下痢が落ち着いた後も腸内の環境は不安定なことが多く、再発しやすい時期が続きます。そのため、治療の一部や治った後のフォローアップとして、腸内環境を整えるサプリメント(乳酸菌や食物繊維を含むもの)を取り入れることがあります。
これにより、いったん落ち着いたお腹の状態をより安定させ、再発を防ぐことが期待できます。
このように統合医療では「症状を止める」西洋医学と、「不調の土台を整える」東洋医学・自然療法を組み合わせることで、下痢の再発予防や体質改善をめざすことができます。
もちろん、すべての症例に向いているわけではありませんし、急性の感染症や手術が必要なケースには自然療法だけでは対応できません。どの範囲まで統合医療を取り入れるかは、獣医師が状態を確認しながら、飼い主様と一緒に相談して決めていきます。
犬の下痢を予防するためにできること
日常生活のなかで、ちょっとした工夫をするだけでも下痢の予防につながります。
🔸 食事管理
フードを変更したいときは、いきなり全量を切り替えず、5〜7日ほどかけて少しずつ新しいフードの割合を増やしていきましょう。
消化にやさしいフードを選ぶこともポイントです。
🔸 清潔な環境づくり
食器に食べかすやヨダレがついたまま放置すると、雑菌が繁殖しやすくなります。ごはんのあとは毎回食器を洗い、水は1日2回を目安に交換しましょう。
ベッドや毛布も定期的に洗濯して、清潔な環境を保ってあげてください。
🔸 ストレスケア
寝床やトイレの場所の変更、家族構成の変化など、ちょっとしたことでも犬にとっては大きなストレスになることがあります。
できるだけ生活リズムや環境を安定させてあげることが、ストレス性の下痢予防につながります。
🔸 定期的な健康チェック
しっかり予防していても、すべての病気を防げるわけではありません。
年1回(シニア犬では年2回程度)を目安に健康診断を受けることで、感染症や慢性疾患など、下痢の原因となりうる病気を早めに見つけられることがあります。
まとめ
犬の下痢は「よくある症状」だからこそ、つい様子を見てしまいがちです。しかし、ときには大きな病気のサインになっていることもあり、油断はできません。
当院では、西洋医学による検査・治療を基本としながら、東洋医学や自然療法も組み合わせた“統合医療”で、お腹の不調や体質のお悩みに向き合っています。
「病院に行くほどかな?」「薬ばかり増えてしまわないか心配…」と迷われたときこそ、ぜひ一度ご相談ください。
愛犬のお腹の状態や性格、生活スタイルに合わせて、いっしょに無理のないケア方法を考えていけたらと思います。
千葉県柏市にある「斉藤牧場動物病院」
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